SMA患者さん・ご家族のお話
武藤朗子さえこさん・煌季こうきくん
「SMAは早期発見・早期治療が何より大事。
新生児マススクリーニングで治療につながりました。」

出産施設の案内で、新生児マススクリーニングのSMAに関する追加検査で脊髄性筋萎縮症(SMA)の疑い判定を受けた武藤さん。 「あまり重く受け止めず、大丈夫だろう、きっと何かの間違いだろうと思いつつ、出産施設から勧めのあった大学病院を受診しました。」 SMAが疑われてから遺伝学的検査を受診するまでのお気持ちや同じ悩みをお持ちの親御さんへの想いをお伺いしました。

脊髄性筋萎縮症(SMA)の疑いがあると聞き、どのようなお気持ちでしたか?

もう信じられなかったです。実際その時はどんな病気とか、どんな症状になるのか知らなかったので、実感はなかったですし、たぶん何かの間違いだろうと思っていました。

脊髄性筋萎縮症(SMA)の疑いがあると聞き、何か調べられましたか?

怖くて調べることができなかったですし、あまり考えないようにしていましたね。受け止めきれなくて、背けていました。日常、しなきゃいけないことだけを考えるようにしていました。

遺伝学的検査で確定診断を受けたときのお気持ちを教えてください。

先生からお話があった時は、もう思考が停止状態でした。詳しい説明をお話いただいていたのですが、淡々と聞くしかできなかったのと、とても悲しいなっていうのと…。自分が代わってあげられたらと思いました。何で病気なんだろう、私何かしたのかなと思いました。

脊髄性筋萎縮症(SMA)は治療法があると聞き、どう思われましたか?

発症する前に、1分でも、1秒でも早く治療を受けさせてあげたいっていう一心でした。

治療を受けると決めてからのお気持ちを教えてください。

早く治療を受けたいなっていうのと、それまでにやるべきことをやっとかないといけないなというのと・・・。それまでお願いだから発症しないでっていう気持ちです。その後は入院日が待ち遠しかったですね。

無事治療を終えたときのお気持ちを教えてください。

やっと終わったっていうのと、安易かもしれないですけど、これで安心だと思いました。もちろんその後に不安はありましたが、不安ばかりを考えても仕方ないので、次は首が無事に座ることを目標にしました。

先生と一緒に1日でも早く治療できるよう動かれていたと聞きました。

ちょうどゴールデンウイークの時期でしたが、一番早い候補日で入院日や治療日、お薬の手配等急いで調整いただきました。先生にすごく調整していただいたと思います。本当にありがたかったです。

全国でも導入の少ない新生児マススクリーニングについて、どう思われますか?

たまたま熊本で、たまたま検査が始まった後で、たまたま治療薬があって、治療ができる医療機関の先生方、看護師さん、薬剤師さんがいらっしゃって、という状況だったので、発症前に治療することができたので本当に良かったなと、心から思います。
それをたまたまじゃなく、本来であれば、全ての新生児が平等に、公費で受けられるようになるといいなと思います。1日でも早く。早期発見、早期治療が本当に、本当に大事なので。

新生児マススクリーニングを受けるか迷っている方、悩まれている方にメッセージをお願いします。

SMAは早期発見で、早期治療ができるので、悩んでるぐらいだったら、検査を受けてすっきりしたほうがいいと思います。実際、疑いの連絡をいただいてる方は不安だったり、考えたくなかったり、信じたくなかったり、いろいろなことを考えると思います。私みたいに考えないようにしている方もいらっしゃると思います。ですが、SMAが確定してしまっても、その子はあなたたちを選んで来てくれたんだから、きっと大丈夫ですよって言いたいです。

煌季くんの将来への想いを聞かせてください。

いろんな経験をしながら、煌季くんのペースで成長していってくれたらいいなと思います。将来は親子でマラソンに出たり、親子でダンスをするのが夢ですね。

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