SMAのケア

SMA患者さんは、筋肉の力が弱まったり、筋肉がやせ細ったりする特徴がみられます。運動機能の維持や関節の可動域が制限される関節拘縮の予防のために、運動・リハビリテーションが必要です。

SMAの治療薬開発により、重症度の高いⅠ型のSMA患者さんでも人工呼吸を用いずに生存が可能となりました。

そこで、患者さんの機能維持のためにも、患者さんごとの筋肉や関節の動きにあわせた運動・リハビリテーションを検討することが重要です。

Ⅰ型やⅡ型のSMA患者さんは呼吸するための筋力も低下します。

そのため、呼吸困難になったり、咳をしても痰が出せず、感染症にもかかりやすくなり、肺炎や無気肺を繰り返し、呼吸不全に陥ることもあります。

SMA患者さんでは飲み込む力が弱く、栄養を十分に摂取できなかったり、食べ物や飲み物が気管に入ってしまってむせたりすること（誤嚥）があります。そこで、栄養や水分をとるために、栄養チューブを鼻から挿入して胃や腸に入れたり、手術をして直接胃や腸に栄養チューブを入れることがあります。

SMA患者さんは成長するにつれ、背骨の変形が進行することがあります。

背骨が曲がると肺活量が減少し、呼吸機能が低下するだけではなく、日常生活の動作にも大きく影響します。

そのため、背骨を固定する装具を用いたり、手術をすることがあります。