新生児マススクリーニングの
SMAに関する追加検査新生児マススクリーニングのSMAに関する追加検査で、
SMAの病気が疑われる判定の結果を受けた方へ医療機関からの突然の連絡に驚き、ショックを受けておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、SMAは治療法がある疾患であり、1日でも早く治療を開始することが重要な疾患です。
当ページでは、SMAの早期治療の重要性に関する情報を提供することで、治療に少しでも貢献することを目的に設置しています。当サイトの情報が少しでもお役に立てば幸いです。
新生児マススクリーニングのSMAに関する追加検査とは
新生児マススクリーニングのSMAに関する追加検査は、知らずに放置するとやがて障害が発生する可能性のある生まれつきの病気を赤ちゃんのうちに見つけて早期に治療することによって障害からお子様を守る検査です。本検査において、SMAの病気が疑われる判定の結果を受けた場合は、早急に医療機関を受診することをお勧めします。
一般的な新生児マススクリーニングのSMAに関する(一例)
追加検査から治療決定までの流れ※自治体や医療機関により、日数や診断、治療決定までの流れは異なります。
早期確定診断・治療の重要性
SMAは進行性の疾患で、一度進行した症状は原則的には元に戻ることが難しいといわれています(不可逆性)。しかし、治療を開始した時期が早ければ早いほど、治療効果が高いことがわかっています。無症状に見える段階から治療することで、SMAでないお子さんと近い発達を実現することも可能といわれており、1日も早い治療が重要です。新生児マススクリーニングのSMAに関する追加検査は生後すぐに検査をおこなうため、その時点で無症状に見えても診断・治療につなげることが可能です。
新生児マススクリーニングのSMAに関する追加検査等で
診断をうけた場合、1日でも早く専門医療施設を受診しましょうSMAの発症時期、無症状に見える状況の考え方
一見して症状がないように見える状態でも、新生児マススクリーニングのSMAに関する追加検査や遺伝学的検査でSMN1遺伝子の欠失が疑われる、もしくは確定した場合には、SMAの症状が進行することが予測されます。症状が明確に表れる時期を予測することは困難ですが、統計的にSMAの症状発症時期の割合は下記の通りで、生後6か月までに発症する割合は60%といわれており、生後18か月までに87%が発症しているといわれています。
発症時期や進行スピードは人それぞれですが、ほとんどの人が乳幼児期に発症する疾患であり、治療を急ぐことが重要です
タイプ | 発症時期 | SMAに占める割合(%) |
---|---|---|
Ⅰ型 |
生後0 ~ 6か月 |
約45〜59% ※1~3 |
Ⅱ型 |
生後7 ~ 18か月 |
約24〜32% ※1~3 |
Ⅲ型 |
生後18か月以降 |
約12〜31% ※1~3 |
Ⅳ型 |
成人期 |
全体の5%未満 ※4 |
※1)Zerres K. et al.: Arch Neurol. 52(5), 518, 1995.
※2)Ogino S. et al.: Eur J Hum Genet. 12(12), 1015, 2004.
※3)Belter L. et al.: J Neuromuscul Dis. 5(2), 167, 2018.
※4)Kolb SJ. et al.: Neurol Clin. 33(4), 831, 2015.
無症状に見える状態について
SMAは発症時期や進行スピードに個人差があります。新生児マススクリーニングのSMAに関する追加検査でSMAの可能性が指摘されても、見た目は元気な状況で目に見える症状がないこともあります。SMAが疑われる判定の結果がでたからといって、必ずしもSMAであるということではありませんが、症状が確認された後では病気が進行し、運動機能が失われてしまう可能性もあるため、紹介を受けた医療機関に速やかに受診の上、医師と治療方針をご相談ください。
SMA(脊髄性筋萎縮症)とは
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、筋肉を動かす指令を出す運動神経細胞が変化したり、消失していくことでさまざまな症状があらわれる病気です。SMAを有する患者さんの割合は10万人に1人※といわれています。詳しくはこちらのページをご覧ください。SMAの疾患について解説しています。
※伊藤万由里ほか:東女医大誌.83, E52, 2013